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使用構築や単体考察を落とします

受けループにおけるメタモンの考察

 

 

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ご近所さん(@govicinity3)より

目次

  

1.受けループにおけるメタモン

 メタモンとは特性「変わり者」により場に出た時、相手のポケモンに変身できる。受けループにおけるメタモンはその特性を生かし、主に相手の積みエースをコピーし逆に3縦を狙う」「相手の技構成を把握し役割破壊を未然に防ぐ」といった理由で採用される。また、副次的なメリットとしては「(スカーフ前提で)高い対面性能を持つ」「メタモンを警戒したプレイングを強要できる」といったことが挙げられる。六世代の一時期は「クレッフィメタモン」の並びで受けループに採用されることも多かったが最近はメタモン入りの受けループは殆ど見かけない(※S8時点)。だが、メタモンの持つポテンシャルは高く、もっと評価されてもいいように私は感じる。しかし、メタモンの立ち回りと聞いてピンと来る人は少ないだろう。そこで、私がS8で回していた構築

 

bomber-poke.hatenablog.com

 

での私のメタモンの運用方法を解説する。これを機にメタモンに少しでも興味を持っていただければ幸いだ。

 なお、受けループにおいて1番の採用理由が積みATのストッパーであり、構築上ステロを撒かれやすく襷が潰されやすいため、スカーフ持ちを前提として考察させていただく。

 

2.メタモンの調整について

 メタモンは他のポケモンと厳選方法が大きく異なる。詳しい方法はとどりこさんのこの記事を見ていただけると幸いだ。ここではめざパとSラインについて簡単に考察する。

 

めざパの候補と仮想的は主に

岩(レボルト、ウルガモスリザードンY、火ロトム、ファイヤー)

地面(ウツロイドジバコイルバシャーモライボルト)

となる。基本的に環境に多く、めざパ以外打点がないレボルトに打てる岩でいいだろう。

 

Sラインの候補と仮想的は、主に遅い順から実数値で

47…最遅。4振りクチート抜かれ。威嚇を変身前にくらいにくい。厳選難度が非常に高い。

76…準速バンギラス抜き。性格補正がSにかかっているか判別できる。スイクンやレヒレのSラインをある程度判断できる。無振りグライオンのS(115)と殆ど同じ(スカーフ込み114)なので無振りグライオンで上を取れるか判別できる。無振りギャラドスランドロスに威嚇を入れられてしまうが、受けループに出てくるとは考えづらいため問題ないといえる。

78…4振りテテフ抜き。テテフがSに割いているかが判別できる。76と大体同じ。

107…最速グライオン抜かれ。グライオンで抜けるかどうかを判別する一例。最速ランドロスの上を取ってしまうなど威嚇を入れられやすい。性格補正必須。

 となる。フレンドサファリで厳選できる環境であれば、威嚇をくらいにくい最遅が1番よいと考えられるが、めざパも考慮すると厳選難度が非常に高いため、基本的には78がおすすめ。

 

3.運用方法

 メタモンは初手出しするか控えにするかにより役割が変わる。それぞれのメリットは

 

初手出し

 メリット

  • 相手の先発の技構成(とSライン)が把握できる
  • 対面性能を生かし、出し勝ちしやすい
  • リカバリーがききやすい

 デメリット

  • 先発メガ石持ちに弱い
  • 先発ステロ要員に弱い(裏でケアできるならあえてコピーしにいってステロを撒くという選択肢もある)
  • 初手でメタモンを見せるため、メタモンの一貫をつくりにくい

メタモンがアドバンテージを取り、残り2匹を動かしやすくする

 

控え

 メリット

  • 相手に積ませる動きができる
  • メタモンをサイクルに参加させやすい

 デメリット

  • 選出のパワーが落ちる
  • 択が発生しやすい

メタモン自体をエースとして運用できるが、サポートが必要

 

 つまり初手出しすると相手の技構成(とSライン)が把握できる代わりにメタモンを見せることになるためメタモンを通しにくくなるということだ。しかし、初手に出せないと選出のパワーが落ちてしまい普通にサイクルを回すとジリ貧になりやすい。そこで必要なのがメタモンをサポートすることだ。しかしメタモンのサポートと言われてピンと来ない人も多いだろう。そこで簡単な例を出す。

 初手こちらf:id:bomber_poke:20180305124436p:plain相手f:id:bomber_poke:20180301220103p:plain対面でこちらの裏にf:id:bomber_poke:20180301220233p:plainがいる場合、相手は地震を耐えるので剣舞or悪巧み安定となる。しかし、積み技を読んでf:id:bomber_poke:20180301220233p:plainを投げてもf:id:bomber_poke:20180301220611p:plainはまだメガ進化しておらず、積み技も使っていないため、仮に後出しが成功してもリターンが少なく、悪巧みをされた場合、逆に↑2真空波で縛られてしまう。そこでとんぼ返りで交代することにより、仮に格闘技が飛んできてもf:id:bomber_poke:20180301221000p:plainにダメージが入らず、積み技を使ってきた場合、メガ進化後ランク補正込みの状態で出すことができる。このように後攻とんぼや胞子などでメタモンを繰り出すことで安全に、それでいてメガ進化やランク補正の入った状態で繰り出せる。このようなメタモンをサイクルに参加させやすくする工夫を構築単位ですることによりメタモンを場に出す回数を増やし、相手のエースをコピーし先にサイクル崩壊を狙う立ち回りができる。またゲンガーなどと違い、S上昇の積み技で縛り関係が逆転せず、ほぼ確実に上を取れることが魅力である。

 また、メタモンをパーティに入れていると相手のラス1を特定しやすくなる。例えば相手が初手f:id:bomber_poke:20180304141531p:plainでステロを撒いて捨ててきた後f:id:bomber_poke:20180304141828p:plainで剣舞を積んで逆鱗でf:id:bomber_poke:20180304141852p:plainを突破してこようとした場合、f:id:bomber_poke:20180304142942p:plainでコピーされることを考慮し、 ラス1は逆鱗状態のf:id:bomber_poke:20180304142238p:plainを起点にできて、f:id:bomber_poke:20180304143002p:plainにコピーされても化けの皮で攻撃を防げる剣舞f:id:bomber_poke:20180304142306p:plainである可能性が高いと予想できる。このようにパーティに入れているだけで相手の選出が2体割れた時点でのラス1の特定が容易になる

 ただしメタモンはその独特な性質上、独自のケアが必要な場面もある。例えば初手こちらf:id:bomber_poke:20180305124328p:plain相手f:id:bomber_poke:20180306150549p:plain対面の場合、f:id:bomber_poke:20180306150549p:plainの逆鱗で無振りf:id:bomber_poke:20180304142238p:plainを落とせず、f:id:bomber_poke:20180304142238p:plainの逆鱗でf:id:bomber_poke:20180306150549p:plainが落とされてしまうため、メガ前だと不利対面となってしまう。また、仮にメガ進化後の対面だとしても、スカーフを持っていることがほぼ読まれているため、逆鱗でf:id:bomber_poke:20180304142238p:plainを落とせても裏のf:id:bomber_poke:20180304142306p:plainf:id:bomber_poke:20180306152244p:plainf:id:bomber_poke:20180306152508p:plainなどに積む隙を(2回以上)与えてしまう。裏を捨ててメタモンを再展開することで皮の残ったf:id:bomber_poke:20180305124754p:plain以外は対処できるのでそういった並びには数的不利を取らないように立ち回る必要がある。また、変身したメタモンは相手に能力値と技構成を把握されているため、迂闊にこちらの選出を見せてしまうと相手にゲームメイクされてしまう。↑のように逆鱗などを打たされて起点にされる展開がその一例だ。常に情報アドバンテージで優位を取り、相手任せのプレイングをしないことがこのポケモンを扱うコツだと言えるだろう。

 

 このように癖は強いものの、対面性能とストッパー性能と抜きエースを兼ねつつ、情報アドバンテージをとれるポケモンは他におらず、受け回しにおいて鬼門とされるジャラランガフェローチェ入りにも勝ち筋を見出すことができる高い誤魔化し性能も持つ。開拓が進んでおらず癖も強いポケモンであるが、十分なポテンシャルを持っていると思う。この記事を読んでメタモンに興味を持ってくれる人がいれば幸いだ。

 質問などは @bomber_poke までどうぞ。