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使用構築や単体考察を落とします

並び単位での処理について

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前置き

 みなさんこんにちは。ぼんばーです。突然ですが、構築記事を読んでいると、「◯◯で誤魔化します」といった記述を見かけることが多々あり、具体的な処理ルートや立ち回りが分からず混乱することはありませんか?私の一つの見解ではありますが、勝てる人、強い人が優れている要素として「勝ち筋を追えること」が大きな要素としてあげられると思います。しかし、初心者の方はそもそも勝ち筋を見つけることができず、追うことができないことが多々あるかと思われます。そこで、今回は所謂誤魔化しの一つである、「並び単位での処理」について私なりに掘り下げて解説していこうと思います。初心者の方は、誤魔化しについて理解するきっかけに、既に理解している方は思考の整理になる一助となれば幸いです。

 

 

「並び単位での処理」とは

 定義付けが難しい言葉ではありますが、この記事では、単体では勝てないor安定しない相手に並び単位で勝てることを主に取り上げていきたいと思います。

 具体例を挙げると、こちらはカプ・テテフとカミツルギ、相手がキノガッサであるとします。本来、カプ・テテフ、カミツルギともに攻撃を襷で耐えられてしまうと、タネマシンガンやマッハパンチ2発で落とされてしまいます。つまり、単体ではどちらも1:1交換以上を取られてしまう不利対面と言えます。しかし、カプ・テテフ対面でカミツルギに交代することでマッハパンチをサイコフィールドで封じることができ、安定した処理が可能になります。単体では勝てない相手を並び単位で対応することで処理を可能にする、これが並び単位での処理、所謂誤魔化しです。

 

 

並び単位での処理を行うメリット

 1,選出の幅が広がる

 2,前向きな選出が可能になる

 3,立ち回りの幅が広がる

 

1,選出の幅が広がる

 処理ルートを増やすことで選出の幅を広げられます。例えば、カプ・テテフに対してアローラベトベトンでしか勝てない構築があるとします。当然、相手の構築にカプ・テテフがいる場合はベトベトンを出さざるを得ませんが、それでは選出が窮屈になり、選出段階で択が発生してしまいます。また、ベトベトンはカプ・テテフとよく組まれているランドロスやリザードンなどに大きく隙を見せてしまうため、それらに切り返せるポケモンも選出せざるを得ません。このように見せ合いの時点で不利な択が生まれてしまうため、この場合はベトベトン単体では、カプ・テテフの対策にはなってもカプ・テテフが入った構築の対策にはなりません。しかし、並び単位で状態異常やフィールドなどを利用した処理ルートを複数用意することができれば、単体に縛られることなく幅広い選出が用意できます。

 

2,前向きな選出が可能になる

 こちらも1と似ていますが、攻撃的な勝ち筋を追いやすい選出がしやすくなります。例えば、カプ・テテフに対するアローラベトベトンのように受ける対策では後手後手に回らざるを得ず、不意の役割破壊や急所、追加効果などの不確定要素に翻弄されることになります。しかし、例えばカプ・テテフを上から倒せるアーゴヨンに拘り(スカーフ)エスパー技を起点にできる龍舞メガバンギラスといった並び単位で対策やケアが可能な選出は、必ずしも「受け」で対応する必要がないため攻撃的な選出が可能になり、結果的に不確定要素を排除することに繋がります。

 

3,立ち回りの幅が広がる

 処理ルートを増やすことで、立ち回りの中で選択肢を増やすことができます。例えば、先ほど例であげたカプ・テテフとベトベトンのように「受け」でしか相手の特定のポケモンに対応できない構築は、その受け要員のHP管理がシビアになり、相手視点でも釣り出しなどが容易にできてしまいます。しかし、並び単位での処理ルートを用意することにより「捨て」の選択肢ができ、1度の択負けが勝敗に直結することが減るため、立ち回りの幅が広がり、安定感と柔軟性が生まれます。

 

 

並び単位での処理のパターン

 並びでの対応と一言でいっても複数パターンがあります。そこで、今回は大まかなよくあるパターンを挙げます。この中から構築に組み込めそう、もしくは応用できそうなパターンが見つかれば幸いです。

 

 1,状態異常による並びでの誤魔化し

 2,状態効果による並びでの誤魔化し

 3,場にかかった効果による並びでの誤魔化し

 4,削りによる並びでの誤魔化し

 5,積み技による並びでの誤魔化し

 6,タイプ相性による並びでの誤魔化し

 7,受け回しによる並びでの誤魔化し

 

1,状態異常による並びでの誤魔化し

 おそらく1番メジャーな誤魔化しの方法。カバルドンやモロバレルで眠らせてからゲンガーの祟り目、熱湯や鬼火で火力を落としてから物理受けでの安定した処理、電磁波を入れて後続が上から殴れるようにするなど多岐に渡り、単純な効果量もさることながら交代されても効果が残り安定性も高いので、どんな構築でも積極的に採用していきたい要素です。

 

2,状態効果による並びでの誤魔化し

 主に威嚇によるAダウン、岩石封じによるSダウンなどのランク補正による誤魔化しのことで、後続が数値不足により安定して受け出せない状況などをカバーします。手軽にできる反面、交代されると効果が消えてしまうので、積み技や身代わりを利用して後続ごと倒すか、回復ソースを用意して複数回展開できるようにするなどの工夫が必要です。

 

3,場にかかった効果による並びでの誤魔化し

 天候、フィールド、両壁、トリックルームやねばねばネットといった交代などをしても引き継げる効果による誤魔化しです。ターン制限などがかかっていますが、効果は大きいので短期決戦を狙う構築でよく採用される手段です。その性質上、構築段階でギミックを見据えて組み込む必要性が高いです。

 

4,削りによる並びでの誤魔化し

 主にステルスロックやとんボルチェン、定数ダメージなどを駆使して相手をエースの攻撃で倒せる圏内まで押し込む誤魔化しです。受け構築での毒守など削り自体が決定打になるケースもあります。基本的には削る手段が主に定数ダメージで最終的には上から殴って倒すことを想定するので予め仮想敵に対しての調整をできることが強みで、特定の相手へのメタとして機能しやすいです。また、構築段階で想定していなくても起こり得る可能性が高い誤魔化し手段でもあり、エースでの抜きをイメージしてゲームメイクすることは上級者になるための第一歩だと言えます。

 

5,積み技による並びでの誤魔化し

 主に展開構築で用いられる手段ですが応用範囲が広い誤魔化しで、あえて倒されることで裏で目の前の相手を起点にして全抜きを狙います。カバルドンの欠伸が例として挙げられ、他にもオバヒなどを撃たせて起点にするなど立ち回りの中で実現できることも多いです。相手の型や裏を読むことが重要で、構築の理解や経験値が重要になると言えます。

 

6,タイプ相性による並びでの誤魔化し

 サイクル戦を仕掛ける構築は勿論、対面構築でも立ち回りの幅を広げるために重要な要素です。例えばゲンガーとカプ・テテフの対面、スカーフだった場合上から何もできずに倒されてしまいますが、ゲッコウガに交代することにより、エスパー技を透かすことができ、スカーフだった場合もエスパー技で拘りロックできます。本来ならスカーフだと上から為す術もなく倒されてしまう2匹でスカーフにも対応できるところがミソで、予めこうして処理ルートを想定することで選出や立ち回りの幅を大きく広げられます。欠点は交代読みの択が発生してしまうこと。裏を隠すプレイングや守るなどで択を緩和したりブラフをかけるなどの工夫が求められます。

 

7,受け回しによる並びでの誤魔化し

 主にサイクル寄りの構築、特に受けループでよく取られる手段で、例えば、食べ残しギルガルドはドヒドイデ単体ではシャドボのDダウンを加味すると安定しませんが、ラッキーなどと組み合わせて毒やDダウンを交代で解除することで安定してPPを枯らすことができます。潤沢な回復ソースが2匹に要求されることから受けループ以外の構築では使用できる場面があまりありませんが、受けループでは立ち回りの引き出しの1つとして用意することで安定感や選出の幅を大きく広げられるので、プレイングスキルに直結する重要な考え方と言えます。

 

 

後書き

 如何だったでしょうか。単体での処理しか考えられない初心者は多く、そういった人に並びで処理を考えることの重要性を伝えられれば、あるいは自分の理解を深める一助になることができれば幸いです。何か質問などあれば @bomber_poke まで気軽にお願いします。それでは。